本会の成り立ち・使命

本会は、近代日本の教育、文化、社会に大きな影響を与えた福澤諭吉の諸業績を明らかにし、その成果を広く一般に普及することに努め、もって日本の教育、文化、社会の発展に寄与することを目的としています。

1951年(昭和26)5月に、福澤諭吉の全著作の編纂校訂のために組織された社団法人福澤諭吉著作編纂会が本会の前身でした。同編纂会は小泉信三理事長以下、安部能成、天野貞祐、板倉卓造、潮田江次、大内兵衛、小宮豊隆、高橋誠一郎、辰野隆、津田左右吉、富田正文、和辻哲郎の13名によって設立された学術研究団体でした。

同会の事業成果としての福沢著作編纂著作権の寄贈を受けた慶應義塾は、創立100年を記念して1958年(昭和33)11月に、『福澤諭吉全集』第1巻を刊行しました。全21巻からなる浩瀚な全集は1964年(昭和39)2月に完結し、その後、1969(昭和44)~1971(昭和46)年には別巻1冊を加えて再版されました。

福澤諭吉全集(開き)福澤諭吉全集

全集の完結後、福沢研究の気運はそれまでにも増して盛んとなり、注目すべき研究業績も相次いで発表されるようになりました。そこで、しばらく休眠状態であった福澤著作編纂会を改組して名称を改めることとなり、1973年(昭和48)4月、社団法人福澤諭吉協会(理事長高橋誠一郎)が発足しました。福澤の思想、業績に関心を持つ多くの人びとに広く参加をもとめ、その連絡機関として、また集会の場、発表の場として、同年11月には早くも第1回土曜セミナーが開催され、12月には『福澤手帖』、翌年8月には『福澤諭吉年鑑』が創刊されています。

2018年(平成30)年5月現在で、土曜セミナーは通算132回を数え、『福澤手帖』は176号、『福澤諭吉年鑑』44号を刊行しています。また、福澤ゆかりの地を訪ねる見学会、旅行会も随時行われて回を重ねています。小泉、高橋理事長のあとには、理事長として富田正文(就任1982年)、佐藤朔(同1993年)、服部禮次郎(同1996年)、鳥居泰彦(同2013年)、清家篤(同2018年)が就任して現在に至っています。

本会は、新公益法人制度の施行に伴い、一般社団法人への移行を東京都に申請し認可を得て、2012(平成24)年4月1日をもって一般社団法人福澤諭吉協会として再発足いたしました。著作編纂会設立以来、満67年、福澤諭吉協会としての発足から数えると満45年を経ました。

福澤諭吉は今もなお内外の多くの人びとの関心を集めています。折に触れて新聞、雑誌などに福澤の言説が取り上げられるばかりでなく、年々、福澤に関する多くの評論、研究が発表されています。本会の使命はますます重くなっているといえましょう。